⽣命保険は、社会の発展に⼤きく貢献してきた⾦融商品であり、多くの人々が⼈⽣の支えとしてその恩恵を受け、助けられています。社会において、⽣命保険の開発は経済ノーベル賞に値する発⾒であったとさえ思います。天変地異による地球環境変化や世界の政治・社会情勢の変化に晒されている現代においても、⽣命保険は人々の⽣活に⼊り込み、全世界で⼤きく発展しています。
⽇本の⽣命保険業界も、紆余曲折はあるものの健全に発展してきていますが、長きにわたって保険業会の仕事に携わってきて、⼤切なことを忘れてしまっているのでは、とも思います。⽣命保険会社や保険代理店は「契約者であるお客さまに最適な保障を届けること」が事業⽬的です。「人生に伴走する」大切な買いものである生命保険は、先々の暮らしと人生を支える重要なものであるがゆえ、お客さまのライフスタイルを守る機能が維持されていなければなりませんが、「⽣命保険を販売することだけに終始してはいないか」という懸念です。
⽣命保険は保険⾦を受け取るまでの期間、つまりは納品までの期間が⻑く、終⾝にわたる⾦融商品もあります。そのため「保全」は必要不可⽋であるにも関わらず疎かになっているように思います。「保全」とは、一般的に機械や施設の整備・維持・保守・点検・⼿⼊れ等の意味に使われますが、⽣命保険における「保全」も機械や設備と同じように社会の変化などにより経年劣化する、という前提に⽴ち、その機能や質を現状に合わせてブラッシュアップしていくべきです。
どんなに素晴らしい機能を持った⽣命保険であっても、「保全」をしなければ使いものにならないものになってしまいます。⽣命保険の納品は保険⾦をお⽀払いするときです。契約から何十年という⻑い年⽉を経て、⾼価な商品が使いものにならないことのないよう、お客さまのライフスタイルを守るために「保全」を通じてできることはたくさんあります。また、保全=契約のブラッシュアップは、生命保険会社や保険代理店にとっても新たな販売の機会を生み出すだけでなく、お客さまと接する生保販売社員の雇用創出にもつながります。⽣命保険営業に携わる多くの⼈たちに、⽣命保険における「保全」の⼤切さをもっと理解していただき、「保全ビジネス®」というスキームの構築や提供を支え、⽣命保険ビジネスをさらなる成功に導く伴走者としてこれからも走り続け、多くの人たちと「幸せを分かち合い、プラスを生み出し(Share Happiness. Plus)」ます。
⽣命保険事業に携わって40年、振り返ってみるとあっという間の時間でした。
私の⼈⽣を豊かにしてくれた⽣命保険業界に感謝するとともに、そこで得た経験を活かし、少しでも恩返しができればと思います。
SH.Plus株式会社 CEO
太田 俊司
上智⼤学理⼯学部数学科卒。旧東邦⽣命保険相互会社にて商品開発をはじめ、多くの⽣命保険業務を経験、1997年、プルデンシャル⽣命保険株式会社に⼊社。⽇本初の優良体保険や⽶国ドル建終⾝保険の開発責任者、プルデンシャル信託株式会社設立および生命保険信託開発時の当局折衝を担当したほか、2006年から13年間、執⾏役員として、保険⾦・給付⾦不払時の⾦融庁検査対応及び各種コーポレートガバナンス体制の確立などに携わる。2015年、プルデンシャル・ジブラルタエージェンシー株式会社の代表取締役社⻑兼CEOに就任、5期で全国16拠点営業社員200名を超える⼤規模代理店に拡⼤。現在はSH.Plus株式会社CEOとして、⽇本の⽣命保険市場における保険会社と代理店に『保全ビジネス®によるニードセール』を展開するプロフェッショナルな保険販売組織構築のための⼈材紹介・⼈材教育を含めたさまざまな⽀援とコンサルティングを提供。